会社のイケメンにはやっぱりかなわねーなって思った話
ちなみにブスは僕(男)
ただ今日のこれは顔の話ではない
心の話だ
僕は顔もブスだけどそれはもうどうでもいい
卑屈マン
今朝、妊娠初期の妻に嫌な感じを醸し出した
妊娠初期ってつわりが発生する時期で症状は人それぞれ
うちの妻は割ときつそうなタイプでだいたいゲップゲップしてるしたまにもどす
我が子のためにここ１週間耐えている妻
しかもいつ終わるのかもわからない長い真っ暗なトンネルにいる
ゴールが見えていないマラソン程きついものはないはず
そんな妻の為に何かしてあげられないかと初めの１週間は食べれそうなものを買ってきて家事はもちろん全部してフルーツもむいてあげていた
たまごクラブに書いてあったパートナーの心がけのようなものを全て実践していた
朝起きてフルーツをむく自分が
「理想のパートナーなんじゃないのか？イケメンなんじゃないのか？」
と
そんな優しい自分を演出している自分にも酔っていた
これを素でできる人は出来た人間だと思う
顔ではなく真のイケメンなのだろう
人間の根っこがジメジメとしたナメクジ男の僕は一週間で背伸びしたかっこつけに少し疲れてしまった
そんな疲れ始めた頃に妻はつわりがよりひどくなり休業するようになり
僕は夜勤が始まった
妻は一日中家にいてこれからガチ寝する頃に仕事に行かなければならない
いつ終わるかわからない吐き気マラソンを走っている妻に対してこの卑屈マンは
- 先週ずっと休んで月曜日また休むの？
- 俺は夜勤だから朝でなくていいけどそれ羨ましくて休んだん？
- 昼間君は1日中ゴロゴロして家事は全部俺がして、夜中また君が寝るころに俺だけ仕事行かなきゃだからね？
- 仕事行きたくないのは俺もだからね？
と
声には出さなかったが態度に出てしまった
長い付き合いなのでどこか文句がありそうな雰囲気は伝わっていると思う
こんな汚い箇条書きを書きたくはなかったが本心を曝け出さなければいかに僕が卑屈かが伝わらない
自分でかっこつけて自分でストレス溜めて「何だお前」と思われそうだが僕はこんな人間なんだ
モヤモヤとしながらも仕事に行った
仲のいい20歳そこそこの後輩にこの事を話したら
「相変わらず最低ですね」
気に食わなかったのでさっさと仕事に戻らせた
夜勤も終わり、溜息交じりでロッカーで着替えていると妻の仕事を引継いでくれている若者にバッタリ会った
普段はあんまり喋らないけど顔はお互い知ってる位の若者に
「妻が妊娠して迷惑かけるね、すみません」
「いやいや！全然いいっすよ！そんな事よりおめでとうございます！」
笑顔で
爽やかに
まだ会社の人間数名以外には秘密にしているため小声で
しかし力強くはっきりと
ブス側から見て明らかにイケメンの立ち振舞い
僕は卑屈人間だが決して嫌味ではない
現に帰りの車内はなんだか分からないけどとても気分が良かった
行きはモンモンとしていたのに帰りはハレバレしていた
この気分の高揚はなんなんだろう？
んんんんん
あれか！！
あのロッカーでのやり取り！
あの返事一つで彼は僕に圧倒的なギブをさりげなく自然に行っていた
卑屈人間でも人に優しくしたくなるような
彼から受け取った親切を誰かにおすそ分けしたくなるような
これが優しさというものなのかイケメンの力なのかは分からない
でも会社に行くマウントで弱った妻から謎のテイクをしてきた僕と
返事一つで気持ちを高揚させ圧倒的なギブをしてくれた彼
もうイケメンとブスなんて差じゃない
ウ〇コとブルーノマーズ位あった
そもそもウ〇コのくせして
「妻が迷惑かけてすみません」
からおかしい
確かに妻は会社を休んでイケメンな彼や上司が仕事を引き継いでやってくれている
それに対しては、ありがとうやすみませんがふさわしいとは思う
しかし妻は仕事よりも大事なことに立ち向かっている
つわりのゴールが見えない苦しみと我が子の成長に耐え続けている
原因をつくったのは誰なんだ
俺だろ！！
妻が迷惑かけてじゃないだろバカタレ！
なにも苦労してないのに社交辞令的になにが「妻の代わりにすみません〜へへへ〜」だ！
アホ！
「種をまいたのは俺なんです、すみません」
だろーが！
もう一度謝れ！
妻には土下座しろ！
妻の仕事の引継ぎだけでなくこんな卑屈マンまで救ってくれる彼には敵わない
彼のような人間が増えるといいなぁと思う
争い減るよ
救ってくれてありがとうイケメン君
救われた命で妻には土下座するよ
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